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緋牡丹博徒 お竜参上(1970/日本)

緋牡丹博徒 お竜参上 緋牡丹博徒 お竜参上
藤純子 (2004/11/21)
東映

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 藤純子(矢野竜子)は嵐寛寿郎が親分の組の賭場を借りて生業を立てている。嵐は浅草一帯で演劇の興行を中心にして縄張りをはる。そこへ触手を伸ばすのが新興勢力の安部徹の組織。暴力的に嵐の組織をつぶしにかかるが、藤純子が任侠心によって嵐の組に助太刀をするというおなじみのストーリー。別のもめ事で安部徹の組員を殺してしまった菅原文太も藤と行動を共にする。

 この頃の邦画は勢いがないと感じるのは私の偏見だろうか。俳優もスタッフもいつも同じ顔ぶれで、話も毎回似たり寄ったり。予算節減のためか、セットは簡略で、エキストラの人数も少なくさびしい。そんななかで、やはり藤純子の凛々しさは当時の女優としては稀なものだと思う。まだ二十代前半で、主演女優として押しも押されもしない存在になっている。

 一旦、故郷へ逃げることになった菅原文太を藤が見送る場面が印象的だ。場所は木橋で雪が降っている。着流し姿の菅原に、ふくさで包んだ重箱らしきものを餞別に持たせようとする藤。ためらう菅原だが、そのときふくさから蜜柑がひとつこぼれ落ちる。鮮やかな色の蜜柑をあわてて拾おうとする藤純子。あっ、これはほのかな恋心だ、と私はすぐに合点してしまう。勿論二人の間に生まれた恋心だ。恋心を語るセリフはいっさい無いが、鮮やかな朱色の蜜柑が何よりもそれを雄弁に語る。加藤泰監督のこの部分の演出にはうなる。

 他では、安部徹らが恋人同士の若い男女をリンチにかけるところか。女は盲目の舞台女優で、浅草の舞台で公演中。つまりは嵐寛寿郎の組に親近感を持つ。一方、男は安部の組のチンピラだが、当然女を助けようとする。ニタニタしながら二人をいじめ抜く安部徹ら。ここでの加藤演出はなんともねちっこい。

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