春情
04/03/2007 (Tue)
1
石製の馬の頭が転倒する
ごろごろ
硝子の天蓋をきしませて
その喇叭の響きは
われわれをも悩ませる
地上の掟
いつ果てるともしれぬ手作業
泥のなかの一家団欒をわれわれは維持する
屋根の上の風向計
ときには上を向いて喉を鳴らすが
われわれにもたらされない情報と好天気
ハシブトカラスが鳴く
メタンガスの雨
2
それでも春はくる
エナメル線の虫
三色スミレは咲き
蜘蛛の巣にぶらさがった水滴が示唆する
秘儀の灯台
くびれた腰のフォルム
白ペンキの鮫肌はまばゆく若い悲劇をおし隠し
歩こうよ
山林で隔てられた潮騒を聴こうよ
受話器の囁き
あの熱さあの甘さが
水母の触手にやさしくつつまれて
さらにわれわれと海をもつつむ
霧笛が鳴る
黒い直方体
やってくる船の箱がある
歩くにふさわしい季節
語る唇のピンクの蛞蝓と息の白さが大写しになる
フォトグラフィー
われわれの身を焦がすナルシズム
だが
3
「肉欲が昂進したとき
われわれは何かをはじめようとする
だが他において既に先行してはじまっているものがある
それを知ってか知らずか
肉欲の昂進のまっただ中においては
われわれは何もしていない場合がほとんどである
ハッ ハッ という息づかいはなつかしいが
パッ パッ と散る羽毛の青空はなつかしいが」
石製の馬の頭が転倒する
クリスタルガラス
ごろごろ
われわれが作成する緋色の構想図にとび乗り
紙魚となって悩ませる
空全体の胃袋をもってしても消化不能のタカノツメ
さらにミニチュアの暴れ馬
われわれは既に介入してしまっていて
胃袋に首をつっこんでいて
とんでもない闘志をかきたてさせる詐術の芳香を嗅ぐ
騙されたフリはいつまでもつのか
春を待ち望んでいるのはわれわれではなく
別の人である
石製の馬の頭が転倒する
ごろごろ
硝子の天蓋をきしませて
その喇叭の響きは
われわれをも悩ませる
地上の掟
いつ果てるともしれぬ手作業
泥のなかの一家団欒をわれわれは維持する
屋根の上の風向計
ときには上を向いて喉を鳴らすが
われわれにもたらされない情報と好天気
ハシブトカラスが鳴く
メタンガスの雨
2
それでも春はくる
エナメル線の虫
三色スミレは咲き
蜘蛛の巣にぶらさがった水滴が示唆する
秘儀の灯台
くびれた腰のフォルム
白ペンキの鮫肌はまばゆく若い悲劇をおし隠し
歩こうよ
山林で隔てられた潮騒を聴こうよ
受話器の囁き
あの熱さあの甘さが
水母の触手にやさしくつつまれて
さらにわれわれと海をもつつむ
霧笛が鳴る
黒い直方体
やってくる船の箱がある
歩くにふさわしい季節
語る唇のピンクの蛞蝓と息の白さが大写しになる
フォトグラフィー
われわれの身を焦がすナルシズム
だが
3
「肉欲が昂進したとき
われわれは何かをはじめようとする
だが他において既に先行してはじまっているものがある
それを知ってか知らずか
肉欲の昂進のまっただ中においては
われわれは何もしていない場合がほとんどである
ハッ ハッ という息づかいはなつかしいが
パッ パッ と散る羽毛の青空はなつかしいが」
石製の馬の頭が転倒する
クリスタルガラス
ごろごろ
われわれが作成する緋色の構想図にとび乗り
紙魚となって悩ませる
空全体の胃袋をもってしても消化不能のタカノツメ
さらにミニチュアの暴れ馬
われわれは既に介入してしまっていて
胃袋に首をつっこんでいて
とんでもない闘志をかきたてさせる詐術の芳香を嗅ぐ
騙されたフリはいつまでもつのか
春を待ち望んでいるのはわれわれではなく
別の人である
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