大洋ボート

春日和

頷いただけ
移動したのでも
壁に釘を打ち付けたのでもなかった
些細な出来事
どうしてそうなったのか今
なつかしい
銅版画の少し以前の時間にはもうもどれない
頷いただけ
天から降ってきた空耳が
別の蛹の空耳にべったりとはりついた
頷いただけ
鳥はこの空を今ものどかにとびまわっているが

窓の向こうを掠める影
手に鳶口をもった大男の後ろ姿
ふさふさした
白い暈がついていく
毛の一本がはなれてゆらゆら
毛からさらに毛が生えて
春の馥郁とした大気の心棒のなか
きっと獲物を探しているんだろう
わたしは巻き尺を垂らしてぐるっと一周する
それから何も撒かない
大きな岩の畔に咲く花
金色の露が
大きくなり小さくなり
滑り台からゆっくり落下する
失敗した幼い詐術にあれこれと悩む時間があるんだろう
とぼとぼと
わたしたちに帰宅すべき家があるのは幸福
頷いただけ
ふてぶてしさはかえって育つ
チューブを押すとどろっと貌を出す虫歯
穢れた血を総入れ替えしなければならないのに
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