大洋ボート

王国

問われたことは覚えている 青い空虚な矢を盲滅法にあらゆる方向に放ちつづけた壮大ないたずらもしくは遊びでしかなかった わかりきったことをたとえ心のみの次元であろうとはじめからやり直すことは徒労でしかなかった 窒息しそうなほど無聊だったかかる雑音と瓦礫と無駄そのものの熱量のなかから問われたことを全記憶の芯として措定しかえしたのはしたがってずっと後だった 見て見ぬふりして通り過ぎたのは問われたのに対して思わずも問い返そうとしたから それが日常水準的な憎悪をはるかに超えた肉体反射的な敵愾心だったから 問われたいくつかの硬質の眼差しがやわらかい肉の壁に見えて奥所を開示されてそそられてしまったから しかしそれらは生成直前の粥状の今一歩判別不能な意志や感情の形態であり無かったこととして思わず引き下がったこともわたしとしてはごく当然であった 生成されようとしたのかもしれない新たなわたしにはわたし自身目もくれようとはしなかったから矛を収めたという自覚はなく あやふやなもう一人のわたしがわたしから彷徨い出た宇宙遊泳的な一瞬の出来事だったといえる もしその一瞬をふりかえって実在として肯定し濁流に乗ってしまえばどうなったのかこれからどうなるのかという仮定なり推論なりがわたしを捉えた 問いそのものを問うた者の実在を押し返してそれは圧殺してしまうことにちがいなかった こわごわわたしは結論を呑みこんだ 青い空虚な礫をあらゆる方向に投げつづけた壮大な遊びもしくはいたずらが何事も無かったかのようにいやさらに自己肥満して薄汚れたナルシズムの旗をたかだかと掲げ永遠のごとく持続することにちがいなかった かかる仮定なり推論なりは唾棄すべきであったかもしれないものの隠れ家に籠るようにわたしは拘泥し溺れた  

無自覚のなかに後日「発見」された「矛」を獣性を肯定するがごとくに肯定し濁流に乗ってわたしは光の王国に直線距離で到達した わたしは内蔵物の細かい部品ではなく存在そのものを問われたと瞬間に病的に判断したのだから押し返そうとすることは仮定としてありえた 実践ではなく空想の甘さがまさった わたしはわたし一人の世界を築き上げて自閉した 透明な膜一枚で隔てられた向こう側に光はたえず供給されたが人が一人もいない 紐の切れ端がわずかに覗いた 変化を待つともなしに待ったものの当然のごとく無かった 行き止まりであった 判断は挿入しようがなかった 窒息しそうなほどの長い無聊がつづいた
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2015.04.18 Sat 07:58  |  つねさん #-
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