大洋ボート

引き摺られて

  正義は迂遠だ。肉襞の隘路に迷い込んでみえなくなった。前に進まなくてはならないが、お祭りのような義務がそうがなりたてるが、車輪を押しているのか、それとも足が自然に浮いて運ばれるのかわからない。手続きとか方法とかを学ばされ鵜呑みにしてしまうが、とおざかってから直接性に気づく。恨みや異議申し立てが素朴であっても確かであれば、それを文字通り素朴に発信することが何故できないのか、何故後ろ足で蹴らなければならないのか。肉体を鍛えいじめることによって主義主張は向上するのか、向上しはしない迂遠になる。不確かさを内部に置き去りにしたまま不恰好な鎧を纏うことになるだけだ。理論武装といってもまた同じこと。いくつもの峠を越えて、超えてきたというわずかな事実がみせかけの肉体のナルシズムを生むだけだ。傲然たる猶予期間が与えられて、何をしてよいやらわからない快楽がもたらされるだけだ。そのメダルの裏で一方的な依頼心が流入してきても嬉々として引き受ける。悪の媚薬を嗅がされるのもごく自然な成り行きだ。
  やってしまわなければならない、やりつづけなければならないという、恨みではないが恨みに近接した一時しのぎの感情、惰性にわずかに着火してかろうじて保たれる感情の勢いに翻弄されかつ翻弄されつづけることを願う。餌が眼前にぶらさがっているので顔と口を出して食べた気になる。不格好さと怠惰を忌み嫌う人間の群れのなかに仮住まいのようにして居て、上下と並列の関係ともにそこに身を置くだけでかろうじて保たれるつながり。やってしまわなければならないから形だけのほんの少しの貢献でも群れによって賞賛されるが、笑いは木の葉のように軽くさらさらと安っぽく降ってきてとめどなく、腑に落ちない感覚はどうしても残る。もしかすると群れの全員が仮住まいとしてそこに身を置くのかもしれず、そこで終わりではないからやってしまわなければならないという意識は思い出され、例によって恨みのようになお引きずられるが、辞すればたちまち無と化す仮住まい。
  勢いを後生大事にしつつ勢いのまま人の大海に立ち向かおうとするが虚偽意識がまとわりつき、それどころか虚偽への殉教を強要され暗黒の隘路に案内されて人の大海は見えず、終末と疲労を意識させられる。灰汁がにじみだす。目を閉じての激突だけがイメージされ巨きな壁となる。最後の血をふりしぼったつもりが抜け殻の身体をみっともなくも人の大海に晒すことになり、打倒され痕を引く負傷も蒙り、こんなはずじゃなかったと薄汚い涙を流す。痛恨といえるほどのものかはわからないが自分でも飽き飽きした肉体をふり動かして刻み込まなければならず、芝居でもそれは自分に一旦は見せつけなくてはならない儀式だ。だからその後暫くは痴呆となって宇宙を泳ぐ夢に生きる。

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