大洋ボート

熱気の代弁

   わたしの熱気はいいかげんの代名詞だった。死をたとえぼんやりとでも彼岸に眺めたのだろうか、ちらちらと意識したのかもしれないがむしろ遮断した。映像をかき消すために汗をとばして必死に踊った、安全地帯で。汗を宝石と称し、自他を騙して売り込んだ。蒼い大きなかたまりが身近をとおりすぎ地響きがした。木の柵が壊れ、土がぼろぼろと崩れ落ちるのを視認して恐ろしくなった。だが時間と食糧はまだ少し残されていると勝手に決め込んで、踊った。刺すような視線ははやとおざかり、わたしのなかで爪楊枝のように追憶に転落し、だれも見ていないのだった。すべてが曖昧、踊れば踊るほど恐ろしくもあるようなないような、とおざかる曖昧さのなか、世界の巨大な曖昧さのなかでの踊りであることを、うそ寒い孤独を、茫然と自覚した。
   記念碑の覚醒の瞬間を維持し酔いつづけることが今の今でなくなりしだいに昨日の出来事となった、分離した。だが追いつづけて模倣しなお酔っ払ったふりをした、これ見よがしに舌のなかの標的を罵倒した。わたしの熱気はいいかげんの代名詞。手が無数に生えてきて、全方位曖昧に伸ばしては欲望の無際限、意志であるかのように見せかけて汗をとばしたが、手も汗も闇に消えた。欲望をいたずらに伸張させると手のとどかない背負いきれない義務と化すのだ。濡れた大きい葉っぱだけがかさばって残り、わたしの頬を舐めいたずらに打った。世に言う屈辱というものだろうか、そう理解して歯噛みすべきだったろうか。だがまだまだ保護されている若い肉がのほほんと下方に在った。傷口は開いていても痛みはなかった。ゼリー状のものがどろっと落ちた。すべてを曖昧にしつつ放擲しつつ痴呆化も厭わず、強がり、熱気を持続させたつもりだったが、下手な芝居の堂々めぐりを自覚せざるをえなかった、飽きてきた。熱気でもって自分で自分をねじ伏せることができると非常手段的に思いついたが、できなかったのか。馬鹿馬鹿しさが湧いてきた。微小な虫の群れがぬるい水の底からゆらめいて昇って来て、たくさんの発疹が赤く灯っては意地悪げに消えた。そんな下方から上方に流れくる河のなかにわたしは浸っていた。訪れてくるものをわたしは無性に期待した。わたしはわたしを絞めつけられるように愛するしかない自分に気付き、足蹴にし裏切った。
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