大洋ボート

ゼロ・グラビティ

  宇宙空間の映像がたいへんきれいだ。ちゃちではなく堂々としている。CGを駆使した映像創りもここまで到達したのかと率直に思った。それほど頻繁に映画を見る身ではないが、今回の作品は宇宙を舞台にした映画の歴史において画期的ではないか。これまでは「2001年宇宙の旅」にしも「エイリアン」にしても宇宙船の内部が「主」で船外の空間は「従」だった印象があるが、今回はそれが逆転している。カメラが船外の空間に堂々と固定されている。それもカメラを抱いた人間が船外に飛び出して撮影するのではなく、撮影スタッフのグループが映像に登場する宇宙船とはまったく別の宇宙船に乗り込んで映し出している、そんな印象さえ抱かされた。勿論、正確さとは無縁の言及にすぎず、あくまでも印象としてだ。実際は地上のスタジオにカメラがあって(固定のものも手持ちのものも)その前で俳優が大掛かりなセットとしてつくられた宇宙船の周辺で演技しているのだろう。無重力状態のふわふわ感はロープで俳優を宙吊りにしてつくりだされたのか、それとも一時的な映像に後の段階で創造をくわえたのか、私は無知なのでつまびらかにはできないが、タネが透けて見えることは全くないといってよい。不自然さがない。
  地球の映像がうつくしい。当たり前だが、宇宙船付近から見る青々とした馬鹿でかい地球、太陽が地球の縁を照らして輝く光。地上で言う日の出とも日の入りともいえる現象だ。それに今回私としては始めてみてなるほど思ったのは、夜の暗黒に入りかけた陸地の山頂の部分がわずかに太陽に照らされて、夕日のオレンジ色の光を放っている。また「うつくしい」ばかりでなく、海に比べて夜にかすかに映える陸地の無気味さ。これまた私のなかの既知であった宇宙映像にあらたに加わった映像で、それ他にもがかずかずある。ただしそれが宇宙船から見る実際の映像や肉眼で見た光景と寸分ちがわないかというと、やはり私には判断がつかないのであるが、感動と心地よさがともなうことは確かである。
  物語は事故に遭うサンドラ・ブロックが中心だ。衛星の破片に衝突された宇宙船が操縦不可能になり、国際宇宙ステーションや中国の宇宙ステーションにつぎつぎに移動していく。なんとか他の船に乗り移って船内に酸素を充填した後、宇宙服を脱いで短パンとシャツ姿になるサンドラ・ブロックを見るとほっとした。やはり人には足の下にしっかり固定した地面があって(この場合は宇宙船の床)普段着でいられるのが、いちばんリラックスできるのだ。解放感を素直に感じられる部分だ。ブロックが流す涙が頬をはなれて丸い粒になって船内を漂い。少しずつシャボン玉ほどに大きくなる。実際は丸くはならず歪むのだろうが、心憎い。DVDでは見えないだろう。
  ★★★★
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