大洋ボート

バウンド(1996/アメリカ)

バウンド [DVD]バウンド [DVD]
(2009/01/28)
ジェニファー・ティリー、ジーナ・ガーション 他

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  マフィアの一員の男が土壇場になって豹変する。仲間の男の粗暴ぶりを普段から嫌っていた男ジョー・バントリアーノがその男以上の粗暴ぶりを発揮してしまう。別に君子でなくても人間はだれでも驚くべき豹変ぶりをみせることがあるのだ。そこがたいへん面白い。度肝を抜かれる感覚に見舞われる。
  組織の男が大金を横領して逃亡しようとした。そこでバントリアーノをはじめグループの男たちはその男を詰問し拷問にかける。金のありかを吐かせたあとに葬ってしまい、さらにその金をバントリアーノが一時的に預かることになる。ここからがたいへんだ。彼が嫌う仲間が乱暴に殺害したために札束が血に染まってしまった。同居する愛人と一緒になって一晩かけて札束の血を洗いさらに洗濯物みたいに一枚一枚を紐につるして室内で干して乾かす。それがすむと今度は一枚一枚をアイロンがけ。まもなく金を受け取りにくるボスと仲間のために用意万端整えるのだ。このあたり映像的に見ごたえがあって、ニヤっとさせられる。だがきれいにしてバッグに詰め込んだはずの札束がいつの間にかなくなっている。じつはこれはバントリアーノの愛人がレスビアンの関係にある女と共謀して、わずかの隙をついて強奪したせいなのだが、バントリアーノはなにも知らない。むしろ嫌っていた仲間に疑いの目を向ける。マンションの部屋の鍵とバッグの鍵を破らなければ札束は抜き取れない。そんなテクニックを仲間の男がもっているはずもないことは冷静になればわかりそうなものだが、そうはならない。興奮しているから仲間への嫌悪が根拠のない憎悪にかわる。バントリアーノは焦る。まもなくやってくるボスと彼が嫌疑をかける仲間の男にどう言い訳をするのか。複雑なことにボスとその男は親子だ。
  ジョー・バントリアーノは主演ではない。マンションの内装工事をする女で錠前破りの名人でもあるジーナ・ガーションとバントリアーノの愛人ジェニファー・ティリーの二人が主演格にあたり、二人の大金強奪と逃亡が物語の幹になる。となりの部屋の工事をガーションがするというのは映画らしい「出来すぎた偶然」で気にはならない。また、二人がひとめ惚れしあってすぐにレズ関係になるのは少し度肝を抜かれて、妖艶な感覚があるか。だがバントリアーノの自己破壊にもひとしい行動に比較すると、それらは小さなハイライトでしかなくなり、かすんでしまう。
  人間、土壇場に追いつめられると何をしでかすかわからない。成算があっての行動ではなく、むしろ座して死ぬことを待つよりも前のめりになって行動することで死をふりはらおうとするのだろうか。感情の激するままにまかせるのか。見終わったあとで、そういう思いをさまざまにめぐらさせられた。刺激ある犯罪映画。
★★★★
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