大洋ボート

自動販売機の酒

  私はほぼ毎日、自動販売機で缶コーヒーを買う。一個買うことが多いが、ときには二つ買うこともある。その販売機は酒店の前に設置されてあるから酒類の販売機も並んでいて、購入する人をときどき見かける。男女ともにいるが、女性の場合は買ったあと袋に入れて去っていく人がほぼ100%、つまりは持ち帰りだ。これにたいして男性の場合はその場でごくごくやる人が圧倒的に多い。それもビールではなく、決まってカップ酒だ。歳も中年というよりは見たところ初老が多い。そんなところで飲むよりも家に帰ってやったほうが、落ち着けて味わえてよほど美味いのではないかと突っ込みたくもなるが、やはりその場で飲んだほうが無難な事情があるのだろうか。家族に嫌がられるとか、量を制限されていて、制限を越えた分をその場で飲み干すとかだろうか、いろいろと勝手に想像してしまう。少しの同情もわくか。飲みすぎは体に悪いのじゃないかと眉をひそめたくもなる。しかしやっぱり美味いんだろうなあ。
  人ごとではなく、私も酒は毎日やっているからその美味さはわかる。煙草もやるが量は現在一日十五本くらいで、よく吸っていたころと比べると半 減だ。禁煙となるとなかなか大変で今のところできそうもないが、以前ほど美味くはなくなったのも事実だ。これにたいして酒はなかなかまずくはならない。昼酒は滅多にやらないが、体が疲れ、体は元気でも頭が疲れると、晩酌にありつきたくなる。元読売ジャイアンツ監督の川上哲治という人は、選手に私生活における節制を心がけるよう喧伝していたそうで、某選手には「女には飽きるが、酒は飽きない。気をつけろ」と言ったという。大酒はスポーツ選手には大敵であることはわかる。酒に飽きが来ないというのはもっとわかる。
  最近は見かけないが、ものすごいスピード技で自販機のカップ酒を飲み干す男がいた。自転車で乗りつけてきて傍で停止し、自転車から降りることなくコインを入れてカップ酒を手にする。間髪を入れずに喇叭のみして一気に流し込んでしまうと、空の容器を威勢のいい音を立ててゴミ箱を放り込み、そのまま以前の勢いにもどって疾走していった。血気盛んな中年男だったが、随分と慣れたあざやかな所作だった。あの男あれから何処へ行こうとしていたのか。パチンコか馬券買いか、知りようもないが、事前に景気づけする必要があったのだろうな。私がたまたま見かけないだけで、あちこちの自販機で繰りかえされる光景かもしれないが、印象に残っている。
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