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街の月

自作詩
12 /04 2011
だれもいない街を
街の裏側の街を移動する
羞恥に対抗する人為は錆びついて

先導する男の影が
小さくなったり大きくなったり
罵詈雑言はちゃちな花火

先導する男は昨日と今日のわれわれ
そうだったんだ
従順さを断ち切れないままに

底のみえない浅瀬を渡るように
だれもいない街を移動する
足裏の感覚はしだいに消え

先導する男の首が鳴る
落書きするチョークの音の耳障り
われわれの移動は「暗黒」と成り果てるのか

嘔吐くような空白
糊の霧のようなべっとりとした空白
表現したい欲望が恐ろしい

両膝もまた溶けはじめる
偶然のフットボールを挟む
あらためて手で触れることをわれわれは怖れる

うずくまる坊主頭
そのやわらかさその可塑性
触れられることを虎視眈々と待っている

われわれの罪が晒される?
そうならないであろうと願う時間の薄氷がつづく
断ち割れない地球

薄が風になびく
フェンスで囲まれた空き地で
そのすぐ上には昼の月

眼も意志も亡くして
べろーんと出した舌でわれわれを凝視する
われわれは見ないふりをする
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seha

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