大洋ボート

天国の樹

過ぎゆく季節
窓の向こう側にも窓があり
風が起こるひるがえるものがある
千切れて飛んでゆくものがある
見てしまったなあ

凧糸のように
窓の向こう側の窓からこちら側に
階段がながく敷設されている
光源からこちら側に近づくにしたがって
藍色からさらに暗黒色へとその色彩は移り行く
わたしたちの感情の襞をあらわすかのようで
降りてくるにしても上るにしても
たいへんな長い道のりで苦行を強いるだろう
憐憫をかけるでもなくそう思ってしまう
部屋のドアを開ければ
その世界にはすぐ行けるかもしれないのに

ささやく声がある
袋のような羽虫の群れが移動しわたしたちにまとわりつく
わたしたちを噂する声の埃と光
過ぎゆく季節のなかで
わたしたちは彼らを正視しないが
他人の声の実質が聴こえるのか
ぬるま湯のようにまとわりつく
彼らの非難と軽蔑をわたしたちは憶測するが
それによってわたしたちの習慣と臆病による沈黙は掻き乱される
今さらのよう直立する牛乳瓶
ここで生まれつつあるどんつまりの熱気は
殺意までにも高められわたしたちを脅かすが
わたしたち自身を噂し合う
沈黙のなかで巨搭や巨鳥となりおおせられるのか

過ぎゆく季節
わたしたちはもっとも自由な時間のなかにあって
観念構築ができないままだ
このままでは何事もなかったことになる
わたしたちはたたかわなかったことになる
窓の向こう側にある窓に
青々とした樹をはるかに見たと言いつのったところで
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