大洋ボート

ショーシャンクの空に(1994/アメリカ)

ショーシャンクの空に [DVD]ショーシャンクの空に [DVD]
(2010/04/21)
ティム・ロビンス、モーガン・フリーマン 他

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   スーパーヒーローが活躍し仲間を引っぱっていき、周辺の人々をも巻き込んでいくという、いかにもアメリカ映画らしい映画。ティム・ロビンスは妻とその愛人を殺害したという嫌疑をかけられて終身刑となる。無実であったが、彼はまもなく傷心から立ち直り、図書館の充実など囚人の待遇改善をはかる中心人物となる。刑務所の所長や看守の面々も彼を厚遇する。ロビンスは元銀行マンで、彼らの確定申告やら所長の公共事業にまつわる裏金作りなどにその豊富な知識を生かして手助けしてやるからだ。知力だけではない、詳しい事情は忘れたが、看守と喧嘩をして懲罰房に収監されるが、そこでもへこたれない。知力だけではなく体力、闘志ともにありえないほどに充実している。まさにスーパーヒーローであるが、一見弱弱しい風貌のティム・ロビンスだけに映画の進行につれてのその変貌ぶりが痛快さをもたらしてくれる。ただし、最後のほうではそのヒーローぶりがあまりにも現実離れしてしまってお伽話みたいになってしまうが。
   印象的だったのは、モーガン・フリーマンが40年ぶりかで仮釈放されて娑婆の生活をはじめるところだ。刑務所の生活ではその一挙手一投足が看守の命令と規則によってがんじがらめになってしまっている。そこから解放されたのだから視聴者は、フリーマンはほっとしたのだろうなあと感慨を受けるが、フリーマンにとっては逆だ。「自由」にどう対処すればわからずにうつ症状に陥ってしまう。小売店で勤務する最中にトイレに行きたくなって上司に当たる男に許可をもらおうとするが、その男は許可は必要ないと当たり前に応える。うろたえてしまうフリーマン。「自由」が、生涯のほとんどを刑務所暮らしでつぶしてしまった男にとっていかに負担になるのか、また刑務所の仲間もそこにはいないから、それまで体験したことのない孤独感にも苛まれるのでもあろう。駆け足的にしか映画は触れないが、むしろ映画が終わった後、ここは考えさせられるところだ。公的に世話してもらったであろう部屋には、先に仮釈放された先輩格の男が少し前まで住んでいた。そして同じくうつ症状になって、壁に自分の名を刻んで首をくくった。フリーマンも同じことをしようとするが、そのときにティム・ロビンスのことを思い出して思いとどまる。このときにはティム・ロビンスはくわしい記述を避けるがすでに刑務所にはいずに「自由」を満喫している。「偉大」にみえるヒーローは果敢に行動し見事に結果を出すことによってヒーローたりうる。ヒーローについていこうという気を周りの人間に起こさせる。そういうところがいかにもアメリカ映画だと私が言いたい所以だ。だからヒーロー不在の感覚が蔓延すれば、その待望論が叫ばれる。「希望を持つことは禁物だ」とかつてモーガン・フリーマンは自分にもティム・ロビンスにも言い聞かせていた。10年ごとの仮釈放審査をことごこく却下されたからで、そんなフリーマンにロビンスは「希望」をプレゼントしたということだ。
   ニコラス・ケイジ主演の『ワールド・トレードセンター』と共通するものがある。瓦礫の下に埋もれたケイジの夢の中にイエス・キリストが出現する。イエスがそのときにケイジに生還の希望を与えたとするならばイエスの幻もヒーローである。ただこの場合は、日本人のほとんどはイエスをそれほど身近には感じられない思いがして不気味であるが。
   ほかには刑務所長や看守の悪人ぶりがよく描かれていた。一見、ロビンスや囚人と彼らは和気藹々の雰囲気をしだいに形成するが、自分たちの身が危うくなると手のひらを返したように冷酷になる。ロビンスの無実の有力な証人が囚人として事件から10年以上もたって入所してくるが、彼を所長以下がどうあつかったのか、彼らはまったく迷いの入る隙なく即断する。
   ★★★★
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