大洋ボート

完全なる報復

  司法取引が問題にされている。検事のジェイミー・フォックスは検挙された強盗殺人犯のうち主犯と取引して刑を軽くし、従犯を死刑にするという常識外の方針で臨み、裁判所も受け入れる。後にわかることだが、警察の捜査ミスで証拠材料が不十分にしかあがらず無罪の恐れがあったためだ。また検察局が「有罪率」の高さを維持したいという思惑もあった。だが当然のことながら、この判決には被害者はとても承服できるものではない。妻と娘を目の前で殺されたジェラルド・バトラーは復讐の牙を研ぎ澄まして、10年の歳月ののちに実行する。すでに釈放された主犯の男を殺害するのだ。
  司法取引とはいえ、死刑を主犯から従犯に移し替えるというこういう極端な例が実在するのかどうか私は知らない。また、是非はともかくもジェラルド・バトラーのとった行動は気持ちとしてはよくわかると言っておこう。印象に残るのは、バトラーがジェイミー・フォックスの娘(小学校高学年くらいか)に主犯殺害を撮ったDVDを送りつける場面だ。娘は習っているチェロの演奏会を終えたところで、おりからそれを撮ったDVDを心待ちにしていた。目にした途端、パニックに襲われるて金切り声をあげる子供。声ががかすれて十分に出ないが、なおその動作をつづけるしかない。見せ物としての映画が威力を発揮する場面だ。
  だがジェラルド・バトラーはそれだけではおさまらず、殺害範囲を司法、警察関係者にどんどん拡大していく。こうなると司法取引の問題は置き去りにされて、ジェイミー・フォックスおよび警察対連続殺人犯ジェラルド・バトラーのつばぜり合いに映画は一変する。それにバトラーがあまりにも能力がありすぎてスーパーマン的になってしまう。あまりにも粗い展開で、これといって驚く場面もない。出だしの問題提起は、アクション映画にとっての「薬味」でしかなかった。
  ★★
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