大洋ボート

義弟の死

  義弟が帰らぬ人となった。自宅で倒れて救急車で搬送されたのが発端である。それから救急車のなかにいた人(救命士?)がヘルニアではないかとの見立てをして整形外科に運ばれた。一日の入院を終えてその翌日だったか妻君に付き添われて通院したそうだ。しかしながら診断を受けた後にふたたび倒れた。そのときにはすでに心肺停止の状態で即死に近かったようだ。大病院だったのでICU(集中治療室)に移送されて2時間以上にわたる心臓マッサージを施されたが、懸命の蘇生行為のかいもなく、心臓が再鼓動することはなかった。死因は大動脈破裂とのこと。足に血栓ができたことが原因のようで、ヘルニアの症状もあったのかもしれないが、心臓や血流に照準を合わせた治療を受けていれば別な結果が得られたのかも知れない、義兄はそう言っていた。医療ミスの疑いがあるのではないかということだ。私は医学に関してはまったくの素人だが結果からしてその疑念は私にも残った。義兄夫妻は訴訟にもちこむことも考えているようだが、これは妻君の意向次第で、遺された小学生の女の子との生活を軌道に乗せることを重点的に考えれば、訴訟の煩雑さは避けるべきなのかも知れない。なお義弟の兄妹は、訴訟にはまったく消極的ななようだ。
  妻君からの一報を受けて、私と妻は病院へ駆けつけた。集中治療室に二度入れてもらい、臨終を目の当たりにした。妻君にしてみればまったく急なことで狼狽し悲嘆に暮れることはなはだしかった。病院に付き添っていってその日の数時間のちに死んでしまったのだから。
  私の妻もショックを受けたようだった。臨終のとき亡くなった人に接すると嗚咽とともに激しい頭痛を訴えて腰が抜けかかり、私が支えてやらなければならなかった。医師が心配し症状を聞いたが、本人は普段の頭痛と同じだとことさらの異常を訴えなかったので、また症状はまもなく治まったのでそれ以上の措置はとらなかった。だがこの妻の頭痛は翌々日の葬儀の場でも起こった。出棺のさいに棺に収められた亡き人の顔を覗いてお別れをするときにまた生じた。部屋の脇にかたずけられて積まれた座布団に泣きながらつっぷした。私はどうしてよいやらわからず、ただ背中をさするくらいのことしかできず、それも妻にしてみればうるさいような仕草を見せた。身近な人が激痛に見舞われているときに何もしてやれない、本人は五体満足を自覚させられることほど間の抜けた感じがすることはない、なにかしらうしろめたさにも纏いつかれる。例によって妻の症状はまもなく回復したが、私はややあって、これは妻にとってはかなり危険な状態ではないかと疑いはじめた。亡き人のことよりも妻のことが気になりだした。頭が針で刺されるように痛むという。
  葬儀を終えて数日経って、家人は脳神経内科へ検査を受けに行った。レントゲンとMRIなる検査を受けたが、診断は異常なしとのことだった。家人は普段から肩こりの症状を抱えており、それが極度の興奮やショックに見舞われると激しい頭痛を伴うのだそうで一過性で心配ないとのこと。肩こり持ちにはよくあらわれる症状だという。通院の必要もなく、薬ももらってこなかった。やれやれというところか。
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