大洋ボート

ALWAYS 三丁目の夕日(2005/日本)

ALWAYS 三丁目の夕日 通常版 [DVD]ALWAYS 三丁目の夕日 通常版 [DVD]
(2006/06/09)
吉岡秀隆堤真一

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  昭和三〇年代前半の東京の下町が舞台となっている。建設途上の東京タワーがCGで再現されて映画の進行につれて完成に近づくという仕組みだ。一九六〇年代の高度成長の前夜の時代で、私は東京ではなく大阪で育ったが、この頃の雰囲気は子供としては知っている。戦後復興が一段落ついて、人々は少しずつ裕福になっていったものだ。テレビ、冷蔵庫、洗濯機という家電製品が手が届くようになった。それでも、それらの製品が各家庭に一機にそろったのではない。この映画に描かれるように先にテレビを購入した家に近所の人たちが集まって、喝采しながら見たものだ。家庭単独で見るよりもそれは独特の楽しさがあって、テレビを購入し終えてもその楽しさを味わうために、わざわざ人の集まるテレビのある家庭に行ったこともある。考えれば、あの時代は人々の社会的な欲望が一致した頃である。欲しいものは誰でもが、テレビ、冷蔵庫、洗濯機であり、少し裕福な人は自家用車であった。欲望が一致することで、それを享受することに参加する喜びもひとしくあった。

  だがそういう欲望の共通項が、人々にはたして無条件的に連帯をもたらすのだろうか。そうでもないように思えるが、この映画はなにかしらそこに楽観的な見方を導入しているようにみえる。また、裕福になりかけた貧乏人が活気があるのはわからなくもないが、すでに人に抜きんでて裕福さを獲得した人は、逆におしなべて冷淡で孤独なのだろうか。売れない作家の吉岡秀隆に育てられた子供を引き取りに来る小日向文世がそういう役を演じているが、小日向の演技はうまいことはともかく、うすっぺらな人間観ではないだろうか。

  その子供はいったんは小日向に引き取られかけて、吉岡と別れがたくまた戻ってくるのだが、感動どころか、しらけてしまった。金持ち=冷淡という型にはまった人間観が終盤近くでいきなり顔を出して邪魔をしたようだ。
★★

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