大洋ボート

バンク・ジョブ

 イギリスの国家統治のあり方、とりわけ国家権力がイギリス王室をいかに守り抜くかという姿勢があざやかに示されている。

 ジェイソン・ステイサムは中古車販売をやっているが、業績があがらず、借金取りから毎日のように脅迫的な催促をされる。そこへ古い女友達サフロン・バロウズから銀行強盗を持ちかけられる。実は彼女は情報機関の息のかかったスパイであるが、ジェイソン・ステイサムはそんなことだとは知らずに、渡りに船と仲間を集めて実行してしまう。銀行の近くの店をつかってトンネルを掘るという古典的な方法だが、まんまと成功。地下の貸金庫に到達する。札束や財宝がざっくざくで、メンバーは大喜び。だがそれらに混じって王室の某王女のスキャンダラスな写真が出てきた。ほかにも売春組織の帳簿があり、そこに群がる政治家、汚職警官などの写真・実名が秘匿され書かれていた。女は王女の写真を回収するために送り込まれたのだった。

 警察が当然動き出すが、それとは別に売春組織を支配する闇の世界のボスや情報組織(MI5,MI6などと呼ばれる)も独自の追跡を開始する。秘密資料をなんとしてでも取り戻そうとしての三つ巴の追跡で、鉢合わせになる場面もあって、おもしろい。情報組織にとっては王女の写真だけが目的で、国家組織であっても政治家のスキャンダルなどは二の次、三の次に過ぎない。ここはきわめてはっきりしている。日本的にいえば「超法規的措置」にあたる手法を用いての犯人グループとの取引も辞さないのだ。ここにイギリスという国の姿勢と選択があざやかに示されている。主犯ジェイソン・ステイサムをはじめ、犯人グループの個々の運命がどうなるかは伏せるとして……。

 思い出したのは、チャールズ皇太子と離婚して王室を離れたダイアナ元妃だ。民間人となった途端にダイアナはパパラッチというフリーの報道記者に追われ、揉みくちゃにされた。それが背景にあってパリ市内で交通事故にあって死亡したのだが、イギリス国家が彼女に対する保護をやめたことも遠因であったといえなくもなかった。そういう悲劇的な事件だった。

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