大洋ボート

ローマの休日(1953/アメリカ)

ローマの休日 製作50周年記念 デジタル・ニューマスター版 [DVD]ローマの休日 製作50周年記念 デジタル・ニューマスター版 [DVD]
(2006/05/10)
グレゴリー・ペックオードリー・ヘプバーン

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 これを全編見るのは四〇年ぶりになる。テレビコマーシャルに引用されてお馴染みになっているが、もうそんな時間が経ってしまっていたんだ。そのときは「労映」とかいう商業組織の会員になっていて安い値段で古い映画を月に4本くらいを見ることができた。十代の女性が何故かお客さんの大半を占めていて、若い笑い声を盛んにあげていた。私もつられてよく笑った。今時は映画館は静かなものだが、あれは女子工員の集団か何かだったのだろうか。

 今も昔もこの映画の素敵な印象は変わらない。おとぎ話のような甘酸っぱさだ。ふんわりした夢のような空気がほとんど全編に流れるが、最後にはそこから身を引かなければならないつらさがある。それでも甘さが思い出として強く残る、そんな映画だ。話は簡単。某国の王女のオードリー・ヘップバーンがローマに親善訪問をしていたが、窮屈なスケジュールに息がつまって大使館を夜にこっそり抜け出す。睡眠薬を飲んで朦朧としていたが、新聞記者のグレゴリー・ペックに助けられ、翌日は意気投合してローマの町を舞台にデート。だが恋仲になりかけたところで、オードリーはみずからの地位にようやくのように目覚めて大使館に帰っていく。

 オードリー・ヘップバーンという女優の魅力によってこの映画は成り立っている。おそらくは最初から彼女をイメージして製作されたのだろうから、もし彼女以外の女優が起用されていたなら当然映画の空気が変わったにちがいないが、企画段階からそれはありえなかった。上品さと茶目っ気がひとつの人格にごく自然に合わさって備わっている。しかもそれは現実の荒波に呑まれると無くなってしまいそうな脆い性質のもので、だからこそ貴重で、輝きをもつ。オードリーのそんな特長が結実しているのだ。グレゴリー・ペックの運転していたオートバイに乗って暴走しかけたり、王女オードリーを連れ戻しに来た某国の行動隊の男にギターによる脳天割をかましたり(日本の小林旭よりも早い時期だ!)と、はらはらさせる大活躍。勿論、「真実の口」という彫刻を使ってのペックとのデートの場面も有名だ。それに理髪店でショートヘアーにする場面があるが、その直後化粧のほうも少し変化して、垢抜けしたように見えたがどうだろうか。

 グレゴリー・ペックもオードリーをよく守り立てていい気分みたいだ。話の上で、せっかく手にしかけた特ダネ記事を書かないのは王女への気遣いであることは当然だが、思い出として記憶にとっておきたいためでもあろうか。それにペックに同行するカメラマンもにくい。ふたたび王女に戻った際の記者会見の席で、ライターに擬したカメラを使ってその正体をオードリーに知らせる。そしてそのあとで現像した写真全部をオードリーに返すのだ。

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