大洋ボート

プラトーン(1986/アメリカ)

プラトーン (特別編)プラトーン (特別編)
(2008/03/05)
トム・ベレンジャーウィレム・デフォー

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 ベトナム戦争が舞台。ベトナム民間人に対する殺戮をめぐっての積極派と否定派の深刻な対立を新兵チャーリー・シーンの目をとおして描く。前者のリーダー的存在がトム・ベレンジャーで、顔面にむごたらしい傷を残している。復讐心のかたまりのような人物で、部隊内でも冷酷で傲慢だ。これに対してウィレム・デフォーは良識派で、無闇な殺害は断固否定する。チャーリー・シーンもその立場だ。それぞれを支持する兵がいて、自然に派閥が形成される。だがこの対立はそれほど整然とはしていない。チャーリー・シーンのなかで理性というものがたいへん危なっかしいことを見せてくれる場面がある。

 小隊が索敵のために小さな山村をめざすが、その集落の手前の場所において同僚の兵が木にくくられて殺されていた。これで部隊全員が殺気立つ。集落にはいると荒っぽいガサ入れをして、北ベトナム兵がかくまわれていないか探索する。女性と老人が大部分だが、若い男が一人いて、これが何やらチャーリー・シーンに向かってわめきつづける。調子の外れた笑いも交え、言葉が理解できないのでチャーリーは挑発された気になってしまう。すっかり興奮して言い返すどころか、その男の足もとに銃弾を雨のように浴びせるが、男の理解不能な、もしかしたら反抗的な態度はいっこうに改まらない。チャーリー・シーンの理性的忍耐も限界かと思われる場面で、こういうことは戦場において起こりがちなのではないかと唸らされる。言葉がたがいに通じないことが苛立たしさを必要以上に高めてしまうのだろう。視聴者を虜にする。この若い男だが、あとからそこへやってきた別のアメリカ兵によって銃殺されてしまう。さらにトム・ベレンジャーが兵隊たちによって詰問されていた女性数人を殺そうとしたところを、ウィレム・デフォーが駆けつけてきて激高して制止する場面へとつづく。

 この殺戮肯定派と否定派の対立はさらに抜き差しならなくなるが、このあたりからは戦争の現実を踏まえるよりも、映画を盛り上げるため、またオリヴァー・ストーン監督の反戦的な主張を刻みこむため、やや強引な物語の展開となる。だがトム・ベレンジャーやチャーリー・シーンの行動は驚くに値する。

 「戦争の現実」かもしれない場面には愉快さもある。チャーリー・シーンが大麻を教えられるところ。ウィレム・デフォーがチャーリーに銃口をくわえさせて開いた弾倉から口に含んだその煙を吐き出す。受け止めてくらくらするチャーリー。部屋にいた兵たちがやんやの喝采。こういうことで仲間になっていくんだろうなあ、と思わせる。それにつづいての男同士のダンスパーティ。題を忘れたが、スモーキー・ロビンソンの名曲が流れていた。

 もうひとつ。遺体を被ったシートが離陸するヘリコプターのプロペラの風によってめくれあがるところ。何気ないが印象に残った。

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