大洋ボート

プラネットテラー(2007/アメリカ)

プラネット・テラー プレミアム・エディションプラネット・テラー プレミアム・エディション
(2008/03/21)
ジェフ・フェイヒーステイシー・ファーガソン

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 文句なしに面白い。だがこの面白さを言葉で伝えるのはなかなか難しそうだ。「さくさく」という言葉が少しは流行っているのかもしれないが、それに当てはまる。ウンカのように湧いてきて襲いかかるゾンビをそれこそ「さくさく」と、つまりは容易に殲滅してしまう、人間同士の団結が自然にできあがってしまって、みんなが一生懸命になってゾンビに立ち向かい、「さくさく」と滅ぼす。悲壮感はあるが深みはない。だから教訓とか人情とかがあってもマンネリズム的なもので、「B級映画」につきものというべきか、新しさはない。新しさはむしろ表面にあって、全編をつらぬくいかがわしさ、怪しさ(妖しさ)滑稽さ等の紛々たる匂いであり、また始まってしまえば最後まで途切れることのない力強いリズムであり、その痛快さである。

 細胞を壊死させて人をゾンビに変えてしまうウィルスが小さな町で蔓延する。その解毒剤もあるようで、軍人のブルース・ウイルスがそれを手に入れようとして、部下を従えて、地元ヤクザと取引にやってくる。だがヤクザは持ち合わせがなく、冷徹なブルース・ウィルスは部下やヤクザ周辺のチンピラに命じてそのヤクザの睾丸を切り取ってしまうのだ。睾丸と解毒剤と関係があるのかないのか、わからない。投げ出された容器には睾丸が一杯入れられている。そしてどうしてだか、敵味方?入り乱れての銃撃戦が始まってしまう。故意に説明が省略されるため妖しい空気が蔓延してくる。

 ヒロインのローズ・マッゴウワンがゴーゴーダンサーを辞めてしけたレストランに行くと、元恋人の男がいる。男は解体業だというが、のちにどういうわけだか逮捕されながら、射撃の名手であるため手錠を解かれて警察と一緒にゾンビと立ち向かう。しかも元恋人ともよりを戻す。マッゴーワンはコメディアンを目指すというが、これにも?マーク。レストランは閑古鳥が鳴いているが、ここのオーナーは何故かバーベキューのソース作りに熱中している。しかも地元警察の刑事とは兄弟。この町では鹿を食する人間が増えたという説明があるから、この店の肉は鹿じゃないかと思ってしまったが、これも不明で思わせぶりだ。こういう店では食いたくないという気にさせる。

 病院ではウィルス感染者で満杯の状態。医師は転移を防ぐため、腕を切り取れというような指示を簡単に出す。患者の口をあけさせてピンセットで舌の様子を見るとピュっと血が飛んで医師の顔を汚す。医師の妻は看護師で、指示されると患者ににんまりとして催眠注射をやってのける。しかも医師は妻の浮気を疑っている最中。

 こまかく書きすぎたが、こういうごった煮状態の人間関係がやがて感染者と非感染者とに整然と別れて、殺しあうのだ。いったん感染するとゾンビになって人に襲い掛かるしかない運命らしく、感染以前の人となりが善人だろうと何だろうと、殲滅するしかない。ゾンビは火器には無力だが、逃げずに本能として人に襲い掛かる。勧善懲悪というのではない。威力を計測できない自然災害でもない。ただ数だけがおびただしいゾンビを「さくさく」と消滅させるのだ。

 ローズ・マッゴウワンは右足の膝から下を食いちぎられるが、そのあとが素晴らしくカッコいい。間に合わせの棒切れを義足にし、次にはマシンガンを義足にして射ちまくる。義足でよたよたの急ぎ足なんてありえないが、ロバート・ロドリゲス監督よく思いついた。
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