大洋ボート

鷲と鷹(1957/日本)

鷲と鷹 鷲と鷹
石原裕次郎 (2002/09/27)
日活

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 石原裕次郎が臨時雇いの船員となって、小さな貨物船に乗り込む。石原の目的は死んだ父の復讐だった。その船には父を裏切り失意のどん底にたたきこんだ嘗ての父の仲間がいた。……

 石原裕次郎の人気絶頂期の一品で、さすがに見るべきものがある。このころ彼は二十代前半だと思うが、三国蓮太郎をはじめとするいい大人に食ってかかったり、船長の娘の浅丘ルリ子を前にして、ウクレレの弾き語りをして、不良っぽい表情で誘惑したり、また情にもろいところを見せたりと、さまざまな顔を見せてくれる。若者らしい背伸びした気配はありハラハラさせるが、そこにともないがちな醜さやひ弱さがない。堂々としていてちょっと酔える。これはおそらく演技の勉強の結果ではなく、彼の日常における表現力の豊かさがもたらしたものだろう。兄の慎太郎をはじめとして、人に対して自分の意見をきっちりといい、なおかつ人の意志をおもんばかるという訓練を映画俳優になる以前に積んできたのではないか。また同じことだが、石原裕次郎自身が、映画のなかの与えられた人物像を彼の保持する日常性の感知器に近づけて捉えなおした、ということもあるだろう。芝居が人まねではなかった、よそ行きではなかった、それに押しの強さがあった、ということだ。

 脇役陣も充実していて、沢村国太郎、西村晃、月岡夢路、その他にもいるが、演じるべき時間を十分に与えられていて、見せ場をつくっている。また、実際の船を使ってロケーションが行われているが、ところどころに夕陽など海の風景が映され効果的だ。嵐の場面はスタジオセットだと思うが、これも水がふんだんに使われていて、ちゃちな印象はない。全体的に雄壮な雰囲気がある。この頃は日本映画の黄金期でもあった。

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    22:56 | Trackback : 1 | Comment : 4 | Top
Comment
2011.02.17 Thu 23:07  |  seha #-
返事が遅れましたが。

昔の日本映画の特徴、
ひと言で言いあらわすのがむつかしいのですが
現代劇でも時代劇風に私には映ります。
「男対男」と対決のシーンなどは真面目な雰囲気、
今ならコミック的になるのかなと
そんことを考えます。


ようこそ  [URL] [Edit]
2011.02.16 Wed 15:06  |  台湾人 #D9.4zkVk
日本の名優石原裕次郎と三國連太郎ですか。昔の日本映画は本当に今の日本映画とは一味違うなと思います。
初めまして  [URL] [Edit]
2007.05.16 Wed 22:48  |  seha #-
石原裕次郎はデビューしてからの数年間、
つまり50年代が、役者としてはピークだったんじゃないですか。
60年代以降は役者としてよりも歌手としての方に
重点をおいたように思います。
にじばぶさん、ありがとうございます。  [URL] [Edit]
コメントを頂きまして恐縮です。
自身のブログにも書きましたが、この作品を観るまで石原裕次郎がそんなに好きではありませんでした。
大した理由はなく、ただ単にイメージ的になんとなくといった感じでした。

しかし本作でそういった偏見はかなり修正されました。
まだこの頃は若いですが、おっしゃる様に演技というより彼自身の素の魅力が良くでていたからなんです。

今後ともどうぞよろしくお願い致します。<m(__)m>
ありがとうございます  [URL] [Edit]







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『鷲と鷹』(1957)上映時間: 115分 製作国: 日本 ジャンル: アクション/アドベンチャー監督・脚本: 井上梅次 出演: 石原裕次郎 三國連太郎 浅丘ルリ子 月丘夢路 長門裕之 二本柳寛 沢村国太郎 柳沢真一 西村晃 安部徹 ********* 2007.05.14 03:17
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