大洋ボート

カクテル(1988/アメリカ)

カクテルカクテル
(2006/04/19)
トム・クルーズ、ブライアン・ブラウン 他

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 一本の映画をつくるために俳優やスタッフが特別の努力をする。普段の修練や勉強とは別メニューで、その一本の映画が終われば以後にはあまり役立つとも思えない努力だ。俳優のほうが無論そういう努力は画面からはうかがいやすい。そしてそれが実を結んで画面に結実したときにはすくなくともその部分だけは成功したといえる。この映画ではそこがいちばん光っている。つまりバーテンダーのトム・クルーズとブライアン・ブラウンがコンビで大勢の客を前にして酒瓶やシェイカーを使って曲芸を見せる場面だ。瓶を回転させながら投げ上げたり、それを後ろ手で受けたりする。客を喜ばせるためだが、勿論客はやんやの大喝采で酒場は盛り上がり繁盛する。これがこの映画のいちばんのはなやかなところだ。

 物語のほうも見ごたえがある。軍隊生活に別れを告げてニューヨークにくりだしたトムだが、学歴がないため一流企業には就職できない。落胆のさなか、街で見かけたのがブライアン・ブラウンがオーナーをつとめるバーの店員募集の貼り紙。トムはすぐにそこの店員となり、たちまちにして先に書いたような繁盛ぶりとなる。だがこつこつ仕事をするタイプのトムとは違い、ブライアンは一攫千金を夢見る男。客の女のことで喧嘩したこともあり、トムはバーテンダーとしての日当のいいジャマイカへ移住し、ブライアンはニューヨークにとどまる。そして若くて金持ちの女との結婚にまでこぎつける。トムもジャマイカで画家の卵の女性エリザベス・シューと恋愛をするが、失態をやらかし逃げられてしまう。

 以後は舞台が再度ニューヨークとなり、トムの女性遍歴と恋愛を映画は追う一方で、ブライアンのその後の生活ぶりも対比させる。ブライアン・ブラウンは贅沢三昧の生活ぶりだが、若い妻は彼にはおかまいなしに遊びまわって、ブライアンは空虚さをかくせない。少し違うのだが、アリとキリギリスのイソップ童話を思い出させる。私は気が小さいのでアリのタイプに決まっているが、トム・クルーズの女性を追いかける執念深さと真面目さには、ちょっとまねができないと思った。ブライアン・ブラウンの派手さもまねはできないが、彼は結局は破綻してしまい、哀れさの印象を、ある種あこがれとともに私に刻み込んだ。

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