大洋ボート

ロスト・イン・トランスレーション(2003/アメリカ)

ロスト・イン・トランスレーションロスト・イン・トランスレーション
(2004/12/03)
ビル・マーレイ、スカーレット・ヨハンソン 他

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 東京へCM撮影の仕事でやってきた俳優のビル・マーレイと、同じく東京に長期滞在するスカーレット・ヨハンソンとの淡い恋を描く。彼女は日本全国をとびまわるカメラマンの若妻で、ホテルで留守をまもることがほとんどで倦怠感にひたされている。ビル・マーレイのほうも言葉が通じないこともあって、日本での仕事に腰が入らない。家のインテリアのことでやかましく国際電話をしてくる妻にもうんざり。そんな同じホテルに宿泊する二人が、知り合って付き合いを始める。

 ビル・マーレイがくたびれかかった中年俳優を好演している。二人きりになってホテルの部屋にこもって、ベッドで寝そべってテレビを見る場面がある。戯れるというほどまでには行かない。退屈さをまぎらわすという程度のものだ。もとよりスカーレット・ヨハンソンは抱かれてもいいと思っている。どうしてだろうか。もしかするとマーレイは性的能力に自信がないのではないかと疑ってしまう。だけどその後には、ホテルのラウンジで毎晩歌う女性歌手と関係をもってしまう場面があって、そうでもないことがわかる。結局は、今さら「愛」をつくるほどのエネルギーがとても湧いてこないということか。夫のカメラマンは真面目で勤勉そうな様子も描かれ、彼から妻を奪うなんてことはとてもおこがましい。またマーレイ自身も現在の家庭を破壊するほどの決意ももちあわせない。あるいは『カサブランカ』のハンフリー・ボガードの「やせがまん」を継承する気もすこしはあるのかもしれない。そんな風に解釈してみた。しかし疑問も湧いた。スカーレットは重大な決意をしたのにもかかわらず、結局は相手にしてくれない中年男に何故ああまで未練を持つのだろうか。ふてくされてさっさと忘れてしまうほうが自然なのではないか。セックスをしてくれなかったことを大事にされたと受け止めたのだろうか。そこのところは描き方が足りないのではないか。女性監督ソフィア・コッポラのスカーレット的女性へのなんらかの思い入れだろうか。

 もうひとつの感想は、去年公開の『バベル』でも同じ印象をもったが、外国人が写す東京の街並みがたいへんきれいだということだ。せまい土地につるつるに磨かれたビルが秩序よく並んでいて、幻想的でさえある。日本人なら汚い場所も知っているので、こういう雰囲気を東京から受け取ることはないと思うが。「きれい」ということが、東京の特徴として外国人には映るのかもしれない。

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