大洋ボート

雲南の少女 ルオマの初恋

  ルオマ(リー・ミン)は雲南省の農村の娘。町の路上で焼きトウモロコシを売る日々。民族衣装に身を包んだ彼女は可憐だ。そんな彼女に目をつけた観光客が、記念写真をせがんでは撮影し、去っていく。それを見ていたのが、町で写真館を経営する青年。ルオマに、観光客相手に記念写真の代金をとる商売をしないかと提案する。彼女もその話に乗り、展望台に待機してその商売をはじめるが、これが思いのほか、うまくいく。ルオマと客を並ばせて、青年が撮影するのだ。写真館がはやらない青年にとっても一時しのぎの稼ぎになる。

  初恋ものだが、話としてはありふれている。しかし、なんといってもリー・ミンという主役の少女が素晴らしい。映画初出演だというが、それだけに初々しさがある。幼さのなかに土の香りがある。映画はやっぱり人(俳優)だなあ、という感を抱かされる。映画が伝えたいこと、空気として定着させたいことを人が代表して実現するのだ。うまい下手という以前に、その人のもっている容貌と雰囲気がそれをさせる。

  ルオマは農村の生活に不満が格別にあるのではないが、やはり都会へのあこがれは持っている。青年からプレゼントされた携帯用音楽プレイヤーを片ときもはなさない彼女。青年が運転するオートバイの後部座席に笑顔で乗る彼女。さらに巧みな進行だが、都会から村へ帰ってきた少女からエレベーターのことを聞かされる。その少女が村の少女全員とともに石材運びをするとき、やはり人一倍疲れた様子で、愚痴りながら、またエレベーターのことを口にし、ルオマに聞かせる。このとき、見たこともないエレベーターが、ルオマのなかで音楽プレイヤーやオートバイやらよりもっともっと、あこがれを抱かせる対象になるのだ。そしてルオマの一貫した素朴で控えめな笑顔。

  家賃を払えなくなった青年は、写真館をたたまざるをえない。都会へ帰ることになるが、ルオマを誘う。はげしく心揺さぶられるルオマだが……。歌にたとえれば森高千里の「渡良瀬川」のせつなさだろうか。

  忘れてはならないのが、雲南省の棚田、そしてリー・ミンが着る少数民族ハニ族の衣装のうつくしさだ。オーソドックスな演出だけに、リー・ミンとともにそれらが目に冴える。
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