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野原

自作詩
04 /10 2021
破損した大太鼓
あんぐり口を開けて
青空を呑み干す

生い茂る雑草の暗緑色
呑み込まれる
昆布やワカメの類

大太鼓をも蚕食し
わたしはそこで生活をしたことがある
酒と食料とラジオを携えて

さらに堆積する小鳥の糞と砂
陽が昇るにつれて
砂粒がぎしぎし囀る

破損した大太鼓の
ぶよぶよの皮を巻いて
わたしは野原を転がったことがある

わたし自身の腹部もぶよぶよなので
地面の凹凸が直に伝わってきた
眼下には燃える地球の俯瞰図

わたしの狂いが一瞬蘇った
わたしだけで自足する
燃える内部の大笑いの奇々怪々

だがバスに乗った
窓からハンカチを振る顔
蜃気楼の箒の灰色

ふりかえると大太鼓は
筵で蔽われた「入口」
わたしは遠くまでは転がらなかった
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seha

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