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大洋ボート

暗い坂

感傷と空白の風呂に漬かって
うじうじするのではない
大破壊を蒙って
形骸だけをかろうじて留めて
あらぬ方向を見つめるでもなく見つめる
そんな風にも見える
青銀色

頭蓋骨にぶらさがった頭皮
頭蓋骨のない頭皮
海の底の眼
冷えた廊下のたたずまい
そいつの頭蓋骨の空洞にわれわれを見つめる
何から何まで鷲掴みする
全方位の眼があると云うのか
滝のように穴のように
ふって湧いた感覚に怖気づく

希望の定式にしがみついたのだわれわれは
知らなかったのではない
見て見ぬふりをしていたのだ
高を括ったのだ愚かにも
姑息だったのだ
擦れ違う列車の灯りに痺れてはじまった歩みがそのまま
そいつに近づきつつある
われわれの不自由さ

空間を跳び交って膨張するのではない
即座に触れさせるのではない
われわれの心にある淀みが底堅く核になる
敷かれた褥に寝そべって
うすら笑いを浮かべて
そいつが間合いを詰める
青銀色
青銀色から流れ出すもの

仲間の背に隠れ
仲間もわたしの背に隠れて
いやらしく微温をもとめる
やがて休息の時もあろうとかぼそく自慰するが
生涯ゆるやかに付き合わされるだろう
そいつに触れることの大破壊は
われわれの想像の範疇外にある
そいつに近づこうとしないことの後ろめたさよ
そいつに近づくことの怖ろしさよ
自殺をふりかざすしかないじゃないか


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窓二つ

眩い白い帆が
薄情さをたっぷり籠めて姿を消した夜
あの部屋の窓には
何も無かった
今さら思いだしてみても
何も無かった
闇さえ無かったとは云わないが
観察はしなかった
視界の端によぎっていたに過ぎず
何やらごそごそ動きまわっていた
腫れものみたいな置物を
誰彼なく渡し合うバトンリレーみたいだった
窓枠に両手を掛けて外部から
いやらしく覗きこむ眼など無かった
硬い石の眼など無かった
それをあえて捏造しようとしたのは以後のわたしだが
幻像のガラクタだけが残った
窓とは無関係に
すっかり忘れてしまった
今宵のわたしの部屋の窓も同じ
埃がうっすら積もっている


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