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赤い信号

自作詩
04 /28 2019
海の底に眠る小箱で
呟く
痛い信号は
憶い出さなければならない
憶い出しても
中途までしか辿れない
歩いて近づいて行った断崖は薬品で溶かされ……

悪徳の蜜を舐めた
悪徳に遅れて気付きはじめる
鈍重な時間の洞穴で
つっつく針金
痛い信号が芽を吹いた
探り当てるように正確無比に芽を吹いた
室内をやたら歩きまわる猫の
脳漿が重くなった
室内はもっと重くなって

逃げた
逃げ遂せて群衆の毛布にまぎれこんだ
今さらながら
悪徳に色眼を送る?
やだねえ

海の底に眠る小箱で呟く
痛い信号は
痛さをいく分かは潮でやわらげられ
赤い光の眼差しとなる

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消滅

自作詩
04 /07 2019
近くにではなく 
遠くにある
意識したくない
固い果実をぎゅっと握りつぶすように
堪えたい
とぼけつづけていたいが
近づいてくる
不可逆的に

真夜中の海を
船が近づいてくる
鬼火をともして
鼻水垂らして
幽かな悲鳴
軽石の千鳥足で近づいてくる
やがて船は消え……

海は脳内に移植される
骨の無い足がじたばたする


seha

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