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海辺にて

自作詩
03 /24 2019
夜の帳が下りて
水平線は消失する
ブイも

潮騒
窓を閉じても流入してくる
というか
建屋全体が既に
悪癖の
曲がった嘴の匂いに深く犯されている

夢かうつつか
横長の白波が立ち現われる
恋人の瞳ではない
ザザアザザアザザアー

夢かうつつか
砂浜をうろつきまわる猫
こちらを見ている
その中心の渦巻にある金髪


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声無き声

自作詩
03 /17 2019
声に出さないでくれ
大理石の上辺の滑らかさで
微笑みかけないでくれ それは
僕自身が捏造したものであることを
よく知っているから

悔恨に似た偏頭痛を いつも変わらず
過不足なく照射する
あなたの堅牢無比の監視力
声の無い詰問力 圧搾力
変わらずにあれ
ときには口に真珠を含み
僕を窃視しつづけろ

僕に麻酔をかけるな
これくらいの痛みと脱力と倦怠なら
生涯 引き摺って行けるぞ
メスで患部を切り取るな
メスよりもヒントになりうる
僕の痛みと脱力と倦怠 そして
息のできない神秘

僕はいつかあなたに会いに行きたいと想う
それまでは死ぬわけにはいかない
あなたはいつまでも待っていてくれているだろう

糾弾する者

自作詩
03 /10 2019
蚊が消える方角
脳漿の海に
あるかなきかの小さな光

わたしの不正義を糾弾する声か
シンバルが両耳を絞めつける
他人事として遣り過ごそうとするが

支えきれない壁が何度も斃れる
水のなかで月が溺れて爆ぜ
わたしを急き立てる

わたしは集団に属している
荷物運び一つとっても
リズムの膠質を物理的に引き剥がせない

悲鳴を上げられない
未来から見てもわたしは不正義かどうか
曖昧さを気弱く引き延ばす「義務」の沼地

隣りの男を窃み視る
ありふれて騒がしいその男
見て見ぬふりをするその男もわたしも

わたしの不正義を糾弾する声は神か悪魔か
世界がこんなにも暗いとは思わなかった
そいつの心臓を鷲掴みできない

消息

自作詩
03 /03 2019
靴音が去った夜の舗道
雨の気配
懐中電灯が捨てられていて

あの時があなたとの別れになった

僕はいくぶん慌てながらも
率直に自分の意見を述べた
あなたから笑顔が消えた
笑顔の余韻が僕のなかではいつまでも残ったが
僕はあなたを失望させたことは確かだ
僕の意見は今でも変わらないが……

アスファルトが濡れて光る
舗道を過ぎる人が絶える
懐中電灯が捨てられていて

あなたは生きているのか

seha

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