デスペラード(1995/アメリカ)
04/12/2008 (Sat)
![]() | デスペラード コレクターズ・エディション (2006/03/29) アントニオ・バンデラス、サルマ・ハエック 他 商品詳細を見る |
娯楽アクション映画として第一級の出来。話は簡単至極で、恋人を殺されたアントニオ・バンデラスが、その犯人である地域の犯罪組織のボスに復讐を挑むというもの。見せどころは全編にわたる銃撃戦で、さまざまなアイデアと映像的工夫がちりばめられている。
たとえば、アントニオ・バンデラスが組織の連中がたむろする酒場にギターケースを抱えてのっそりと入ってくる。ケースをあやしむ連中の一人が開けてみるがやはりギター。安心したのも束の間、次の瞬間にはなんとギターがぱっくりと二つに割れてマシンガンが露わになる。だがもうすでに銃撃戦が始まっている。懐からとりだした二丁拳銃で連中をばたばた倒してからケースのマシンガンを手にするバンデラス。この間の銃撃戦はほとんどがスローモーション。そんな早い動きができるわけないだろっ、というような突っ込みを入れる暇はない。子供心を刺激してくれて面白さに酔える。撃たれた男どもがまるで空中落下のように画面の手前から後方へとすっとんでいく。
バンデラスはたたかいの過程で満身創痍になるが、悲壮感はない。本屋を経営する美人のサルマ・ハェックがかくまってくれる。初対面にもかかわらず艶然とした笑みを執拗に投げかけてくる。そして本を紐解きながらバンデラスに縫合手術をほどこしてくれるのだ。そして傷がいえるとセックス。古い映画のヒーローやヒロインならもっとストイックだろうが、こういう場面もこの映画の特徴だ。適度にふざけた感覚が心地よい。バンデラスにとってもいい休養になったくらいのもの。
バンデラスにもボスの勢力にも敵対するナイフ投げの名人も登場して、どういう来歴の持ち主かわからないが、この混乱ぶりもかえっておもしろい。弾帯ならぬナイフ帯を腰に巻きつけてつぎつぎに投げてくる。そしてバンデラスはへろへろになると電話一本で助っ人を呼びつけるのだ。はじめからそうすればいいのにとは合理的な解釈だが、その場しのぎができてしまうところもこの主人公の特徴で新鮮味がある。助っ人もギターケースを持ってくるが、その使い方はバンデラスとはちがう方法で、これまた痛快である。
アントニオ・バンデラスはヒーローではなく、ヒーローの型にはまった遊び人風。それもまたこの映画の魅力だ。
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