パープル・バタフライ(2003/中国・フランス)

パープル・バタフライ パープル・バタフライ
チャン・ツィイー (2006/07/21)
角川エンタテインメント

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一九三〇年代の上海。中国進出をはたした日本軍に対して、大衆的な日本排斥運動が巻き起こる。中国人チャン・ツィイーは、日本軍の要人暗殺をもくろむ諜報機関の一員。一方の仲村トオルは日本側の諜報機関員。二人は表面上は恋人同士だが、両者とも相手の本当の身分を知っている。だが、知らないふりをして相手を情報収集に役立たせようとする。また、リィウ・イエは日本軍に諜報員と誤認されて、その巻き添えで恋人を殺されるという役。やがて彼は復讐鬼と化していく。

 それぞれのナショナリズムと任務。それに相反する男女の感情をロウ・イエ監督は趣向を凝らして描く。セリフを極端に切りつめて、なが回しによる俳優の表情によって情感を浮きだたせようとする。「殺したくはないが、殺さなければならない」といった板挟みの感情を。普通ならスパイアクションになりそうなところを心理劇にもっていこうとする。だが、セリフによろうと、顔のアップによろうと、表現したいことは同じじゃないかと、半畳を入れたくなる。非戦のメッセージだろう。それにじっと動かない顔のアップはジャン・リュック・ゴダール、ゆっくりしたカメラの移動による風景の俯瞰はテオ・アンゲロプロスからの模倣がまるわかりで、シラける。

 当時流行ったであろうスローテンポの歌曲がところどころに流れるのは、時代を感じさせていいなあ、と思った。日本語の歌も流れる。雨が多いのも情感を内にこもらせて、いい。また、上海の街のオープンセットはセットと思えないほど巨大で、威容を誇っている。

21:52 | DVDで見た映画・2000年代 | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑