ひまわりの種

 ひまわりの種が食用として販売されていることを知った。私の奥さんは元中国人で、中国の物品を専門にあつかっている店によく行くが、そこで買ってきた。殻付きのまま、乾燥させて炒ったもので、長さが2センチ、幅が5ミリ、厚みが2ミリというくらいが平均的な大きさだ。殻は香ばしい独特の香りがあるが、無論、それは剥かなければならない。妻は食べなれているからだろう、器用に爪を立ててテンポよくはがして口に入れていく。私はそれができない。私の利き手は左で、二ヶ月前に仕事中にあやまって人差し指の先を骨折してしまったのだ。通院は一月で済んだが、まだ爪が半分ほどしか生えていないし、指先全体が物に強くふれるとピリピリする感覚がとれないでいる。だが爪と指の感覚が元に復したとしても、妻のようにできるかどうかはわからない。私は奥歯を使って殻をくだいたのだが、殻の端っこに歯を当てなければならず、何回かは失敗した。そうでないと華奢な実がくずれてしまう。

 長男もやはり元中国人で、これまた子供のころから食べなれていた風で、やはり次から次へ口に運んでいく。彼の方は前歯で殻の端っこをくだく式だ。それを見て私はいやなことを思い出した。一年前にパスタを作っていて、ゆで加減を確かめるために前歯で噛んだとき、かたい芯がまだ大部分残っていて、そのために歯がポロっと欠けてしまったのだ。現在は差し歯で、差し歯ならやってみても大丈夫かもしれないが、やる気がしない。息子よ、そのやり方は年をとったらやめといた方がいい。

 さて、その味だが、落花生に似ている。殻についていた香ばしさはない。もっとも食してみるとはじめてではなく、味といい形といい、殻をむいた状態でミックスナッツのなかに入っていたことを思い出した。今回それがひまわりの種であることがわかったという次第。
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