16ブロック

 刑事のブルース・ウィルスが拘留中の黒人青年モス・デフを裁判所まで護送することになる。青年を証言者として出廷させるためだった。だが途中で青年とブルース・ウィルスは正体不明の複数の狙撃者に命を狙われることになる……。題名の「」16ブロック」とは警察署と裁判所とのほんの短い距離のことだそうだ。具体的な数値は不明。

 ブルース・ウィルスが仕事に疲れきったうえアルコール好きという刑事像をよく出している。こんな味の出せる俳優だとは知らなかった。同僚刑事のデビッド・モースもウィルスを向こうに回しての堂々たる役者ぶりだ。またリチャード・ドナー監督が出演者同士の会話を結構重視しているんだなあ、とも思った。

 しかし私が引き込まれ満足したのは、やはりアクションの部分だ。ブルース・ウィルスと青年はいつの間にかニューヨーク市警全体を敵に回すハメになるが(その事情は省略)、この大捕物が面白い。例えば、銃撃音がしてその直後にやられる人物が映されるが、これが鑑賞者の目算とはちがう人物に命中してしまっている。そして何故そうなったのかは映像的に即座に理解できる仕組みになっている。この一瞬のズレが快感だ。同様の場面が何回か出てくる。レストランの店員が残飯入れの金属の箱の蓋をおもいっきり閉じると、おびえて銃口を向けるウィルス。ここも好きだ。それにあのバスジャック……。

 「信ジラレナーイ」場面も数えられるが映画全体には響かない。映像と話の流れがスムースで小気味よい。警察アクションとしては『マイアミ・バイス』よりも上出来だ。
00:12 | 映画館で見た映画 | comments (7) | trackbacks (1) | edit | page top↑