鷲と鷹(1957/日本)
10/01/2006 (Sun)
![]() | 鷲と鷹 石原裕次郎 (2002/09/27) 日活 この商品の詳細を見る |
石原裕次郎が臨時雇いの船員となって、小さな貨物船に乗り込む。石原の目的は死んだ父の復讐だった。その船には父を裏切り失意のどん底にたたきこんだ嘗ての父の仲間がいた。……
石原裕次郎の人気絶頂期の一品で、さすがに見るべきものがある。このころ彼は二十代前半だと思うが、三国蓮太郎をはじめとするいい大人に食ってかかったり、船長の娘の浅丘ルリ子を前にして、ウクレレの弾き語りをして、不良っぽい表情で誘惑したり、また情にもろいところを見せたりと、さまざまな顔を見せてくれる。若者らしい背伸びした気配はありハラハラさせるが、そこにともないがちな醜さやひ弱さがない。堂々としていてちょっと酔える。これはおそらく演技の勉強の結果ではなく、彼の日常における表現力の豊かさがもたらしたものだろう。兄の慎太郎をはじめとして、人に対して自分の意見をきっちりといい、なおかつ人の意志をおもんばかるという訓練を映画俳優になる以前に積んできたのではないか。また同じことだが、石原裕次郎自身が、映画のなかの与えられた人物像を彼の保持する日常性の感知器に近づけて捉えなおした、ということもあるだろう。芝居が人まねではなかった、よそ行きではなかった、それに押しの強さがあった、ということだ。
脇役陣も充実していて、沢村国太郎、西村晃、月岡夢路、その他にもいるが、演じるべき時間を十分に与えられていて、見せ場をつくっている。また、実際の船を使ってロケーションが行われているが、ところどころに夕陽など海の風景が映され効果的だ。嵐の場面はスタジオセットだと思うが、これも水がふんだんに使われていて、ちゃちな印象はない。全体的に雄壮な雰囲気がある。この頃は日本映画の黄金期でもあった。
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