イントゥ・ザ・ブルーイントゥ・ザ・ブルー
(2006/03/17)
ジェシカ・アルバ

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  この暑い季節にぴったりのDVD(映画)。バハマの青い海と光が心地よい。

 古い沈没船の発見を夢見るダイバーのポール・ウォーカーはついにそれを実現する。さらに沈没船の付近には墜落したジェット機がほとんど無傷のままで残骸をさらしていた。機内には密輸目的らしい大量の麻薬もあった。ポール・ウォーカーとその恋人のジェシカ・アルバ、さらにはニューヨークからやってきた友人の弁護士とその恋人の計四人で協力して、発掘作業にさっそく取りかかる。これが話の始まりで、滅多にない幸運の発見が二つも重なるのは話としては無理があるが、そこは映画。四人はダイビングに励むなか、麻薬の強奪をたくらむ悪漢どもとのたたかいにも巻き込まれる。

 沈没船の発見とその財宝の探索の過程がおもしろい。まずは海底の砂場でバラスト用の石(船の重心の役割をする)を見つける。そこから手掘りで砂をかいていくのだが、次には送風機が使用される。圧力をかけて砂を噴射するのだ。さらにもっと作業を効率化させるために大型ポンプが用いられる。逆に砂を吸い込んで後部で吐き出す方式だ。金製のナイフが見つかって、やったなという感じ。少し重いものの引き上げの様子もおもしろい。これはバルーンを括りつけるが、最初はぺしゃんこで、海中で酸素ボンベから酸素を送ってふくらます。なるほど。もっと重量のあるものは、比較的大型の海上の船から起重機で引き上げる。

 鮫やエイや小さな魚が群れをなすのも、海中のカメラが仰ぐ角度で撮って、陽光の散乱するさまやボートの航跡をみせてくれるのもさわやか。酸素ボンベの栓を抜いて武器にするのも「へえ」。勢いがついて魚雷のように進む。ジェシカ・アルバといおう女優のビキニ姿のきれいなことも書いておかなくては。

 DVDは、ときどき画面の不鮮明なものや色彩がにじんだようなものに出会うが、これはそんなこともなく、たいへん鮮やかな映像を見せてくれた。
プラネット・テラー プレミアム・エディションプラネット・テラー プレミアム・エディション
(2008/03/21)
ジェフ・フェイヒーステイシー・ファーガソン

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 文句なしに面白い。だがこの面白さを言葉で伝えるのはなかなか難しそうだ。「さくさく」という言葉が少しは流行っているのかもしれないが、それに当てはまる。ウンカのように湧いてきて襲いかかるゾンビをそれこそ「さくさく」と、つまりは容易に殲滅してしまう、人間同士の団結が自然にできあがってしまって、みんなが一生懸命になってゾンビに立ち向かい、「さくさく」と滅ぼす。悲壮感はあるが深みはない。だから教訓とか人情とかがあってもマンネリズム的なもので、「B級映画」につきものというべきか、新しさはない。新しさはむしろ表面にあって、全編をつらぬくいかがわしさ、怪しさ(妖しさ)滑稽さ等の紛々たる匂いであり、また始まってしまえば最後まで途切れることのない力強いリズムであり、その痛快さである。

 細胞を壊死させて人をゾンビに変えてしまうウィルスが小さな町で蔓延する。その解毒剤もあるようで、軍人のブルース・ウイルスがそれを手に入れようとして、部下を従えて、地元ヤクザと取引にやってくる。だがヤクザは持ち合わせがなく、冷徹なブルース・ウィルスは部下やヤクザ周辺のチンピラに命じてそのヤクザの睾丸を切り取ってしまうのだ。睾丸と解毒剤と関係があるのかないのか、わからない。投げ出された容器には睾丸が一杯入れられている。そしてどうしてだか、敵味方?入り乱れての銃撃戦が始まってしまう。故意に説明が省略されるため妖しい空気が蔓延してくる。

 ヒロインのローズ・マッゴウワンがゴーゴーダンサーを辞めてしけたレストランに行くと、元恋人の男がいる。男は解体業だというが、のちにどういうわけだか逮捕されながら、射撃の名手であるため手錠を解かれて警察と一緒にゾンビと立ち向かう。しかも元恋人ともよりを戻す。マッゴーワンはコメディアンを目指すというが、これにも?マーク。レストランは閑古鳥が鳴いているが、ここのオーナーは何故かバーベキューのソース作りに熱中している。しかも地元警察の刑事とは兄弟。この町では鹿を食する人間が増えたという説明があるから、この店の肉は鹿じゃないかと思ってしまったが、これも不明で思わせぶりだ。こういう店では食いたくないという気にさせる。

 病院ではウィルス感染者で満杯の状態。医師は転移を防ぐため、腕を切り取れというような指示を簡単に出す。患者の口をあけさせてピンセットで舌の様子を見るとピュっと血が飛んで医師の顔を汚す。医師の妻は看護師で、指示されると患者ににんまりとして催眠注射をやってのける。しかも医師は妻の浮気を疑っている最中。

 こまかく書きすぎたが、こういうごった煮状態の人間関係がやがて感染者と非感染者とに整然と別れて、殺しあうのだ。いったん感染するとゾンビになって人に襲い掛かるしかない運命らしく、感染以前の人となりが善人だろうと何だろうと、殲滅するしかない。ゾンビは火器には無力だが、逃げずに本能として人に襲い掛かる。勧善懲悪というのではない。威力を計測できない自然災害でもない。ただ数だけがおびただしいゾンビを「さくさく」と消滅させるのだ。

 ローズ・マッゴウワンは右足の膝から下を食いちぎられるが、そのあとが素晴らしくカッコいい。間に合わせの棒切れを義足にし、次にはマシンガンを義足にして射ちまくる。義足でよたよたの急ぎ足なんてありえないが、ロバート・ロドリゲス監督よく思いついた。
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(2008/03/13)
ケイト・ブランシェット. ビリー・クラダップ.マイケル・ガンボン.ルパート・ペンリー=ジョーンズ.アントン・レッサー

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 看護師のケイト・ブランシェットが要請されて、ナチス占領下のフランスへスパイとなって潜入する。国家への貢献の気持ちは勿論あるが、むしろ同国で消息を絶ったパイロットの恋人を捜し出すためだった。

 スパイといっても縦横無尽の活躍をするのではない。共産党員のレジスタンスと協力して列車爆破などをおこなうが、もっぱらの仕事は共産党員の父がかくまっているユダヤ人の男の子の二人の兄弟の面倒を見ることだった。だがやがてナチスの摘発をうけて、その二人の子供と父(ユダヤ系)は収容所送りとなってしまう。その他、ヴィシー政権下でのナチスのユダヤ人狩りに対するフランス人地元首長の露骨な協力ぶり、戦局が反転しはじめてからの共産党員へのフランス人の冷淡さなどが描かれる。だが、あれもこれもと総花的に並べすぎてメリハリがない。

 すでに疾走を始めようかという男兄弟と父の乗った列車にケイト・ブランシェットが子供たちの母を僭称した手紙を渡す場面はちょっと驚いた。(実の父母はすでにナチによって収容所送りになっているが、二人の子供lにはそれを知らせていない)せめて慰めたい、その痛ましい気持ちはわかるが、彼らの面倒を見る過程で、ケイト・ブランシェットにおいてそれほどの痛切な愛情は表現されなかった。また戦後、奇跡的に生還して彼女の元に姿を見せた恋人をふって、ケイトはフランスに飛んで共産党員とわざわざ再会するが、これも戦中それほどの深い思いは表現されていなかった。制作者サイドのケイト・ブランショットを使っての自己満足を見させられたようで、嫌だった。

 ただ緑にかこまれたフランスの小さな町のたたずまい、石造りの古い家や橋はたいへん美しかった。