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大洋ボート

 本と映画の感想文。詩作も。

白い輪郭

萎えることもあるさ
萎えても
太陽は雨に濡れたポスターのように誰も
見向きもしないから照っている

動きまわる足に
消尽できる肉体の箱庭に単に
白痴的に憧れただけではないだろうか

ガアガアガアガア
地球の耳元でがなりたてる鴉
やたら室内外の調子外れの管弦楽
穴ばかり出鱈目に掘り返す猪の群れ

強圧に負けたのさ
元気を上回る元気に負けたのさ
終わりがやがて来るだろうとの甘え
太陽を剥がさないままのじりじりした時間
持ちきれない

見られている自己を意識する
何を見返そうとするのかはわからない自己の
それでも見返そうとする自己の
顔の白い輪郭が泥のなかから浮上する

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    10:44 | Trackback : 0 | Comment : 0 | Top

裸電球

まばらな雑草のなかの裸電球
ポイと捨てられた
怨みの色が滲み出す

僕は想ってみる
うすい曇り硝子のなかの吐息を
自家中毒から逃れられない

眼があるとしても
僕の見る空とは
決して同じものではないだろう

踏み潰されるであろう
風に翻弄されるであろう運命
そのままで居つづけられる偶然だってありうるが

それが僥倖と云えるだろうか
雲が慰めになるだろうか
あっさり捨てられた裸電球だもの

黒い杉林が人のように整列する
フットボールのように
僕の頭上を掠める鷹

    11:48 | Trackback : 0 | Comment : 0 | Top

夢の穴

寝そべっているのは
ベッドか
鉄道線路か

腹の上には花束
自殺志願者でもないのに
蜂が迷いこんでくる

壁の穴から
蒸気機関車の音が聴こえてくる
耳のなかの赤い点

左腕が効かない
手指だけがもごもごして
右腕は麻痺しているのか

すっぽり切り落とされた霧なのか
顔があげられない
左腕が効かない

花束ではなく
右腕の空洞にとどかせようとはするが
起き上がれない

蒸気機関車が驀進してくる
耳のなかのシグナル
寝そべっているのはベッドか

噴き出す汗の皮膚の砂漠
焦燥の山頂の結晶にはとどかない
どうせ俺なんて……

天井からざわざわ降下してくる星々の花々
無数の腕の幻がさし上げられる
蜂が迷いこんでくる




    14:03 | Trackback : 0 | Comment : 0 | Top

泣き顔

泣こうとして
顔を塀に押し着けた

大きな濡れた鰭が
胸腔から耳へ逆流した

わたしは破壊された
わたしは在る

脳味噌の腐った豆腐は
巨岩の尻の重たさ

鬱屈を遣り過ごそうとしたのではなく
ふてくされて四つ角を曲がっただけ

泣こうとして少し泣いた
涙は温かかった

雨が降って来た
一粒一粒は涙よりも冷たかった

その純潔のセルロイド片に憧れるべきだったのか
わたしはただ情けなかった

極彩色のネオンの灯が
大きな鰭とともに塀を舐めつくした

わたしは踏みつぶされた果物になった
痙攣的快感の虜囚になった

他人に見せられない顔に変形した
誰も居なかったにせよ

    14:03 | Trackback : 0 | Comment : 0 | Top
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